離婚後のQ&A集

親権

離婚した際、親権者を夫、監護権者を私に決めました。私の再婚に伴い、こどもを再婚夫と養子縁組する事にしましたが、元夫が同意しれくれません。どうしたら良いでしょうか?

法定代理人は親権者となりますので、こどもの戸籍移動は親権者が行います。

満16歳ならば養子縁組について親権者の承諾は不要(民法797条)ですが、奥様の場合、こどもと再婚相手を養子縁組させるためには、親権者の同意が必要となります。即ち、元夫が同意しない限り養子縁組はできません。

養子縁組の同意は、あくまでも話し合いで解決する事をお勧めします。理由は、離婚協議書を作成されていないという事ですが、監護権の定めを書面に残していない場合は、父親が親権者として子の引き渡しを求めた場合、対抗手段がありません。最悪の事態を避けるためにも、十分に話し合われる事をお勧めします。

話し合いの方法ですが、直接、当事者のみで話し合いを進めるのが困難な場合には、親権変更の調停をお勧めします。調停とは、裁判所で話し合うことで、裁判ではありません。

第三者の力を借りる事で、冷静に和解策を探ることができるでしょう。裁判ではありませんので弁護士を頼む必要もありませんし、費用も数万円程度です。

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養育費

離婚後、こどもが20歳になるまでの養育費を支払っています。先日、大学受験のために予備校の費用を新たに負担するよう、元妻から請求されました。予備校の費用まで、負担しなければなりませんか?

御主人の経済力も考慮しなければなりませんが、一般的には負担しなければならないと言えます。

判例では、「教育に関する費用であっても、その内容が社会生活上一般的に是認される範囲を超えた場合又は金額が不当に高額である場合には、(父親)にその支払いを求める事が信義に反し権利の乱用に該当する事があり得ると解されるが、大学進学希望者らが受験準備のために予備校を利用する事は世上一般的に行われている事であるから…(略)…目的及び内容において是認される範囲を超えたものとは認めらず…(広島地裁H5.8.27)」と述べており、大学受験のための予備校費用は是認される範囲と判断しています。

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養育費を請求しないことを条件に離婚に応じ6年が経過しましたが、今になって養育費を請求されました。私は養育費を支払う必要がありますか? 時効を理由に、支払いを免れることはできませんか?

支払う必要があります。

親はこどもを養育する義務を負っており、こどもは親に対して扶養してもらう権利を有しています。

こどもの扶養請求権を、親だからという理由で勝手に処分することはできず、離婚時に夫婦間で交わされた養育費の請求権を放棄するという約束は、無効となります。従って、支払いを免れることはできません。

また、お子様の「養育費を請求し得る地位」は、時効にかかることがありません。

従って、6年が経過していたとしても請求は有効です。請求期間ですが、一般的にはこどもが成人するまでまたは大学卒業までとされています。

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養育費を貰っていた元夫が、事故で死亡しました。元夫は再婚しているのですが、再婚妻へ支払い請求したところ拒否されました。どのようにしたら、支払ってもらえますか?

元夫の死亡により、元夫の養育費支払い義務は消滅します。

養育費支払い義務は、元夫の一身に専属しているものであって、相続対象とはなりません。従って、再婚妻へ相続されませんので、あなたの請求に応じることは無いでしょう。

こどもは父の相続人になりますので、再婚妻と協議されることをお勧めします。負の財産(借金)の方が多い場合には、相続放棄することができます。

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再婚した夫が亡くなりました。その後、夫の前妻が現れて、夫と前妻との間の子どもの養育費の支払いが滞っているので払ってほしいと言ってきました。夫は亡くなってしまったのですが、替わりに私が支払わなければならないのでしょうか?

主人と前妻との間で交わされた離婚協議書は、契約です。そして、御主人が亡くなった時点でこの契約は終了しています。従って、奥様は、養育費を支払う義務はありません。

更に、養育費や慰謝料は一身専属的(特定の人のみに専属し、他の人へは移転できない)ですので、相続することはできません。

例え、奥様が御主人の相続人であったとしても、相続できない内容である以上、何も相続していない事になります。従って、奥様は、前妻のこどもへの養育費支払い請求に応じる義務を負いません。

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こどもを引き取った元妻が再婚しました。再婚夫と養子縁組もするそうです。現在、養育費を支払っているのですが、今後も支払い続けなければならないのでしょうか?

養育費の支払いを免れる事はできませんが、減額できる可能性があります。

判例では、「養子制度の本質からすれば、未成熟の養子に対する養親の扶養義務は親権者でない実親のそれに優先すると解すべきである」(神戸家裁H112.9.4.)と述べており、御主人よりも再婚夫の扶養義務が優先すると判断しています。

仮に、再婚夫の収入が御主人と同等程度であるならば、御主人の実質的な養育費負担は発生しないと言えます。

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面接交渉権

3年ほど前に、こどもを連れて離婚しました。元夫とこどもは、月に1回の面接をしてきましたが、私の再婚が決まった為、面接の回数を半年に1回位に減らしたいのですが、可能でしょうか?

元夫は、離婚協議書に記載がある旨を根拠として申込に応じない様子ですが、再婚による事情変更が認められますので、回数を減らすことは可能です。

奥様の場合も、「新しい家族関係を確立する途上にある」事を理解してもらい、「こどもの心情や精神的安定に悪影響を及ぼす事態はできるだけ避けたい」旨、元夫と十分に話し合い、理解してもらう事をお勧めします。

再婚夫とこどもが養子縁組をされる場合には、尚更です。元夫の面接交渉権については、再婚夫とも十分に話し合い、お互いに譲歩しながら策定しなければなりません。

元夫についても、感情の赴くままに面接交渉を繰り返すことは、親権者による監護養育を阻害し、こどもの精神的安定に障害を与えると解され、最終的には面接交渉を認めないという判例(福岡高裁H15.11.28)もあります。事情変更を理解してもらい、変更した面接交渉権は必ず文書に残してください。

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元夫は、月に1回の割合で子供(12歳)と面接交渉しています。最近、こどもが元夫と会いたくないと言い、これを元夫に伝えたところ、逆切れされ暴力を振るわれました。私としては、こどもが拒否している以上、無理やり面会させたくは無いのですが、拒否することはできないのでしょうか?

面接交渉権の性質は、こどもの監護義務を全うするために親に認められる権利である側面を有する一方、人格の円満な発達に不可欠な良心の愛育の享受を求める子の権利としての性質をも有するものとされており、「正当な理由」もなく妨害することはできません。

奥様の場合、「こどもが元夫に対して強い拒否的感情を抱いていて、面接交渉が、子に情緒的混乱を生じさせ、子と監護権者実親との生活関係に悪影響を及ぼす等の子の福祉を害する恐れ」に相当し、正当な理由に該当すると解せられます。

従って、いやがることどもを無理やりにでも面接させなければならない義務を負わないと言えます。ただし、元夫には、きちんと説明しなければなりません。

元夫がどうしても話し合いに応じない場合には、速やかに家庭裁判所に面接交渉の調停を申し立てます。話し合いがこじれたまま面接交渉を拒否し続けていますと、元夫からあなたが面接交渉を妨害していると逆に訴えられかねません。

話し合いにならないと思ったら、速やかに調停を申し立てることをお勧めします。

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こどもが成長し、自分の携帯電話を持つようになりました。メールのやり取りをしていたところ、元妻より「メールでの面接交渉は認めない」と一方的に通知されました。離婚協議書には、メールに関しては何ら取り決めがないのですが、どう反論したら良いですか?

二つのケースを想定して、回答させていただきます。

まず、父母間の対立もなく、通常の面接交渉が円滑に進んでいるという場合

判例では、「子の年齢(中学2年生)、その他心身の成長状況からして子が単独で非親権者と面接交渉する事が可能である場合にあっては、親権者親が反対であっても、面接交渉によって子の福祉が害される恐れは比較的少ないといってよく、非親権者親が不当な動機に基づき面接交渉を求めれているような場合を除き、原則としてこれを肯定する事ができる(横浜家裁H8.4.30)」と述べています。

従って、こどもの年齢によっては、通常の面接交渉に加えて、メールでのやり取りを求めることが可能でしょう。

通常の面接交渉が円滑であること、こどもの成長状況から判断して、メールでの面接交渉が害とはならないこと等を理由として、合わせてメールの頻度、回数制限、触れてはならない議題などの譲歩案も用意し、元妻に申し入れては如何でしょうか。

一方で、父母間の対立が激しい場合や、通常の面接交渉に関して元妻の反対が強い場合

裁判所は「親権者親の意思に反する面接交渉が強行されることにより親子間に感情的軋轢等が生じ、これによって子の福祉を害する事態が想定されるから、特別の事情が存在すると認められるときでない限り、これを回避させるのが相当」と解し、先のケースとは結論が異なります。

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